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消費者金融と取引履歴の開示

1 平成17年7月19日に、消費者金融に関して重要な最高裁判決が出ました。今回はこの点についてお話したいと思います。

 たとえば、消費者金融から、50万円を年30%の金利で借りたとします。そうすると、年間15万円の金利を払うことになります(50万円×30%=15万円)。
ところで、利息制限法という法律では、50万円の元金の場合、年18%以上の金利をとることはできず、18%を超えた部分は無効になると定めています。つまり、年間9万円を超える金利をとることはできないのです(50万円×18%=9万円)。

そうすると、この例の場合、15万円から9万円を引いた6万円については、本来は、消費者金融は金利として受け取ることはできず、元金40万円の返済としなければなりません。つまり、同じく、15万円を受け取っても、年利30%(消費者金融の金利)では元金はまったく減らないのに、年利18%(利息制限法の金利)なら、元金は6万円減ることになります。

1年で6万円違うわけですから、消費者金融との取引が長ければ長いほど、消費者金融の金利で計算した元金と、利息制限法で計算した元金は、大きく違ってきます。
たとえば、10年程度の取引があると、消費者金融の計算では元金が50万円残っていても、利息制限法による計算では、元金がゼロになっているということもあるのです。

2 弁護士が、消費者金融に対する返済に困った人から、借金整理の委任を受けた場合、まず、消費者金融に対して、借主との取引履歴(いついくら借りて、いついくら返したという、これまでの取引の経過を書いたもの)の開示を求めます。

消費者金融が取引履歴を開示すれば、これをもとに、年18%の金利で計算し、利息制限法で計算した場合の、現在残っている元金を出します。消費者金融の計算は年30%で行っていますから、消費者金融の主張する元金より、利息制限法で計算した元金の方が減るわけです(しかも、取引が長いほど、この減り方は大きくなります)。

3 このような事情があるので、弁護士が取引履歴の開示を求めても、消費者金融はなかなか取引履歴を開示しようとはしません。開示すれば、消費者金融の、借主に対する債権額が減ってしまうからです。

弁護士は「開示しろ」と言い、消費者金融は「開示しない」と言って対立することが多かったのですが、この最高裁の判決が出て、消費者金融には、取引履歴を開示する義務があるということになりました。

したがって、今後は、消費者金融は取引履歴を開示しなければならず、開示しないと、損害賠償請求などを受けることになりました。
取引履歴を開示すれば、借主の元金は減ることになるですから、借金の整理をしようとする借主にとっては朗報といえるでしょう。

4 この耳寄り情報を読んでいる方の中で、消費者金融から借金をしている人は少ないかもしれませんが、自分の回りに消費者金融からの借金で苦しんでいる人がいたら、こんな最高裁判例が出たということをアドバイスしてあげるといいかもしれません。

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